人事労務ニュース
人事労務ニュース

文書作成日:2025/08/05

スポットワークを利用する際の注意点

 最近、スポットワークを「利用している」、または、「利用していた」という話を耳にすることが増えています。スポットワークを利用する人が増加し、働き方への注目が高まる中、厚生労働省からもその活用における留意事項等をまとめたリーフレットが公開されるなどの動きも出ています。以下では、このリーフレットの中からスポットワークを利用する際の注意点を確認します。

[1]スポットワークとは
 厚生労働省から公開されたリーフレットでは、スポットワークについて以下のように定義されています。

  • スポットワークとは、短時間・単発の就労を内容とする雇用契約のもとで働くこと
  • スポットワークの雇用仲介を行う事業者が提供する雇用仲介アプリを利用してマッチングや賃金の立替払を行うもの

[2]労務管理上の注意点
 スポットワークについては、スポットワークのサービスを提供している事業者(スポットワーク提供事業者)から人材を派遣してもらうイメージがありますが、実際には派遣ではなく、サービス提供を受けた企業による直接雇用であることに注意が必要です。また、労働契約の成立時期は個別の具体的な状況によりますが、以下のように判断されることと示されています。

面接等を経ることなく先着順で就労が決定する求人では、別途特段の合意がなければ、事業主が掲載した求人にスポットワーカーが応募した時点で労使双方の合意があったものとして労働契約が成立するものと一般的には考えられる。

 そのため、スポットワークのサービスの提供を受ける際には、応募があった時点で労働契約が成立するという認識をしておくことが求められます。その他、企業の都合で丸1日休業とする場合や、仕事の早上がりをさせることになった場合は、労働基準法第26条により休業手当を支払う必要があります。

 今回、厚生労働省からリーフレットが公開されたことを受けて、一般社団法人スポットワーク協会では今後、スポットワーク提供事業者に必要な対応を求めていくこととしています。そのため、直接労働契約を締結する企業としては、スポットワーク提供事業者からの適正な対応に関する案内の内容を確認し、ルールをしっかり理解した上で、スポットワークを活用することが求められます。

■参考リンク
厚生労働省「いわゆる「スポットワーク」の留意事項等
一般社団法人スポットワーク協会「2025年7月 「スポットワークサービスにおける適切な労務管理へ向けた考え方」を取りまとめました

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。




1,000件超となった精神障害の労災支給決定件数2025/07/29
従業員の自宅に届く協会けんぽの資格確認書2025/07/22
重要度が増す仕事と育児・介護の両立に関する個別周知等2025/07/15
今後、対応が必要となるカスハラ対策と就活セクハラ対策2025/07/08
10月施行の改正育児・介護休業法「柔軟な働き方を実現するための措置」への対応2025/06/24
4年連続増加となった休業4日以上の死傷者数2025/06/17
見直しが濃厚となった大学生の健康保険の扶養年収基準2025/06/10
改正労働安全衛生法の成立と7月から始まる全国安全週間2025/06/03
腰痛の労災認定の考え方2025/05/27
不妊治療と仕事との両立の職場づくりマニュアルと助成金2025/05/20
厚生労働省による業種別カスタマーハラスメント対策の取組支援2025/05/13
6月より義務化される新たな熱中症対策2025/05/06
給与が「〇〇pay」等のデジタルで受け取れるようになる賃金のデジタル払い2025/04/29
割増賃金の基礎となる賃金と最低賃金の対象となる賃金の違い2025/04/22
2025年4月より短縮された雇用保険の基本手当を受給できるまでの給付制限期間2025/04/15
お問合せ
伊藤社労士事務所
叶l事労務コンサルティング
〒420-0805
静岡県静岡市葵区城北17-3
TEL:054-260-9078
FAX:054-260-9079